・・・







「た、食べる気なんでしょ!」







「おいおい、俺はなんでもかんでも、食べたりはしない」








「眼鏡の神様達は食べたじゃない、神様なのに!」






「あいつらは、アクが強すぎる、だから食べたまでだ・・・
そうだ、君はあの少年の屋敷に住んでいるんだろ?
せっかくだから、屋敷まで送っていくぜ」






「嘘じゃない?本当に食べない?」






「俺が泥棒とでも言うのか!?」





「よ、よしなにおまかせするわ」






・・・





そして、私は、かわずさんに乗ることに・・・






私を乗せた かわずさんは、グオグオグオと鳴き、飛び跳ねながら、
少年の屋敷へと向かってくれた。

「ねえ、かわずさんこの世界は華那さんの意識の世界なの?」

「人には記憶の渦がある」

「記憶が渦を巻いている?」

「そうだ、人は絶え間なく視覚的情報や聴覚的情報などを記憶しているもんだ。
無意識にね、そんな漠然とした記憶が渦を巻いている。その、記憶の渦からいくつかの記憶が取り出され意識へと構築される。そしてその意識化されたものがこの世界へとやってくるわけだ」

「ふーん じゃあ、かわずさんや私も華那さんの記憶の渦から作り出されこの世界に?」

「君はそうだろうが、俺は違う。この世界に現れた意識を排除するためにいる。俺が気に入らない意識をね」

「なんで、そんなことを?」

「だってそうだろ、人は知覚した意識を必ずしも受け入れるわけじゃない。
ある程度は排出しないといけないんだ、そうしないと自分の意思なんてなくなっちまう」




















「かわずさん、この辺でもう大丈夫よ。
送ってくれてありがとう、またお話しましょうね」






「いや・・・俺は、これから遠い所に行かなければならないんだ。
だから、君とは会えなくなる」






「そう・・・せっかく知り合いになれたのに残念ね」






・・・






屋敷に戻ると、私は、まだ大量に生チョコがあまっていることを思い出す。

「この量を一人で食べたら死ねるわね・・・」






そうだ、あの怪物さんにチョコを届けてあげよう・・・






私は早速 怪物さんのもとへと行くことに・・・






















「怪物さんこんばんは 生チョコを届けにきたの」






「もう行かなければ行けない」






「行く?」






「ずっと遠く遠くに・・・」






「その前に、蜂蜜のお礼、蜂蜜で作ったこのマント」






















少年も、かわずさんも、そして怪物さんも何処かへ行ってしまった。
そして、私の手元には蜂蜜マントと大量の生チョコが残ることに。

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